フリンジ最終日。
今日は昼からのランチタイムコンサートがSt.Mark'sである。
風狂+チャーリー+トリーナのジョイントライブだ。出発前からジョイントライブの計画はあったがなかなか実現しないでいた。
さて会場に入ってセッティングをしていると、チャーリーとトリーナが到着。ところがチャーリーは琵琶を持っていない。どうしたのか、と聞くと「今日はトリーナだけで、私は演らない」と言う。
エエッ、何故!
するとチャーリーは「トリーナは純粋なIrish、でも私は純粋なIrishな空気ではないから、風狂のみなさんは私とは演奏したくないでしょ」と言う。
ナニー!もしや
それは、数日前の昼のカフェ。チャーリー、トリーナ、私でお茶を飲んでいた時、風狂とのジョイントの話がでた。チャーリーは「トリーナは、風狂の中で演奏する事を恥ずかしがっていて、自分が説得しても駄目。しかたさんが話をしてみて下さい。」という。
そこで私が説得することに。
「トリーナさんの演奏はこの間聴いて素晴らしく感動しました。その音楽からはアイリッシュのピュアな風を凄く感じた。」といったことを伝え、更に
「チャーリーは日本で風狂とは何度か演奏しているから、別に珍しくはないし、日本に長い間住んでいるから半分は日本人みたいなもの。でも、トリーナさんが今回参加してくれることは、純粋なアイリッシュの風を風狂知音に送り込んでくれることになり、それは風狂にとって素晴らしくエキサイティングでとても楽しいことだ。風狂のメンバーはみんなとても喜ぶだろう。
」なんて事を言ったのだけれども、チャーリーのことを引っ張り出したのは、少しでもトリーナさんにその気になって欲しかったからなのだが!
まさかチャーリーがこう取るとは。
チャーリー、ゴメンナサイです。この場を借りて、再度お詫び申し上げます。(何か不祥事を起こした企業広告のようになってしまった)
さて、チャーリーの話を聞いて皆はびっくり、私は真っ青。「何を言うんだそんな事はない、是非一緒にやりましょう」と皆で説得。
では、とチャーリーはタクシーで急いで取ってくることに。
ふーっ、良かった!
セッティングの間、津村さんはトリーナさんに色々と話かけている。トリーナさんの緊張もほぐれてきた様子。
チャーリーも今度は琵琶を持って参上。
これで準備万端だ。
とても至福なコンサートでした。
普段から風狂知音の演奏には深淵な懐の深さを感じているが、そこにゲスト、それも今回のようにチャーリーやトリーナさんのような素晴らしい音楽性を備えたゲストが入った時には、懐は更に広大になるような気がします。
もうこうなってくると私はただただ神妙にその世界を拝受するだけ。
お客さんも凄く感動した様子で帰っていかれた。
後日談になりますが、トリーナさんは演奏前まではそうとう緊張していたそうですが、演奏がいざ始まると素晴らしく楽しかった、とおっしゃっておりました。
さあ、エジンバラでの演奏は後一回となった。St.Cuthbert'sでのラストパフォーマンスが始まる。
やはり6日間も通うと、この教会にも愛着がわいてくる。名残惜しい。
そんな事をおもいながらセッティングを済ますと、お客さんが入ってきた。
皆、初めて来た人達なのでしょうが、6日間どうもありがとうございました、という気持ちでお迎えしてしまう。
昨日の三人の演奏がそれぞれに骨太になった印象。さらっと聴こうと思うと結構普通なのですが、良く聴くと津村さんも田村さんも、やってる!やってる! 実は相当濃いです。やっぱり。
最後にアンコールがある。曲は『What a Butiful Morninng』で、しっかりと此処エジンバラでのパフォーマンスを締めくくった。
田村さん 津村さん 覚張さん お疲れさまでした。
本当ならば、この後は皆で打ち上げ といきたいところですが、私と原さんはもう一仕事!
この後 チャーリーとトリーナさんのパフォーマンス『SAMURAI&BIRD』の録音を頼まれているのです。
で、打ち上げは皆さんにお任せして、私達は次の準備に。
今回はゲストで、由美子さんが『舞い』で参加することになりました。
最初に由美子さんが踊り、チャーリーが琵琶で入っていくという事に。
セッティングも終わりそろそろ開演かなと思っていたら舞台の方から由美子さんの声が聞えてくるではないか!見ると既に由美子さんが舞いながら唄っている。もう始まっていた。
あわてて録音を始める。
由美子さんが参加したことで随分と舞台が華やかになった。とても気持ちの良い始まりです。
チャーリーの琵琶、トリーナさんのアイリッシュハープと数曲ずつ交互に演奏が進んでいく。
日本-アイルランド-日本------ と変化していくのがすこぶる心地良い。
トリーナさんの演奏の間はチャーリーは楽器を置いて神妙に座っているのですが、その姿は『妹を気遣うお兄さん』が見え隠れしているのが、また何とも良い雰囲気だ。
二人の演奏を聴いていると、二人をこの世に誕生させて育んできたご両親、そのご先祖様にまで どうもありがとうございます、と 言いたくなった。
演奏が終わってからチャーリー達が滞在するアパートへ行き、ワインで打ち上げ。
皆さん本当にお疲れさまでした。
さあ! 明日はネス湖だ! そして夜はアイルランドに入りますよー!!
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